戦後79年目の夏
「THE WORLD」にあるリノベした作業小屋は、築80年くらいになるそうだ。ボンボン時計にだるまストーブ。ウォシュレットやシャワーなんて当然ないし、全自動洗濯機だってない時代。一体この地でどうやって生きていたのだろう。ここをリノベした棟梁が言っていた。「冬は相当寒かっただろうに…」。
戦争が終わり、日本が負けて、人々の心は疲弊していたに違いない。広島も長崎も東京も焼け野原で何にもない。食べる物も着るものも住む家もない。都市には闇市ができ、都会で暮らすお金持ちは農家に着物を持っていき、食べものと交換していた。
驚くことに、それはたったの70〜80年前の話。今やっている戦争は、遠隔操作でゲームみたいにドローンで人を殺している。世界はそう遠くない未来にシンギュラリティを迎え、AIからAGIに移行する。
あの戦争で命を落とした数えきれない人の魂は、ちゃんと天国にいけたのだろうか?お盆休みの今、そんなことを考える。
妹の私は東京でPCのキーボードを叩く。
北海道に戻った姉は、引き続き農作業に勤しむ。
寝ている最中爆弾が降ってくる心配がない日々。
元気な身体。自由な発言。あったかいシャワー。
お腹いっぱい食べられる今日。
そんな人生がありがたく、幸せじゃないはずがない。
生きたくても生きられなかった、
沢山の人たちの無念の思いに囲まれて生かされている今。
明日のことなんか誰にもわからない。
今この瞬間を精一杯生きろ。
「THE WORLD」を創る。
それしかない。
ではまた次回のレポートまで、皆さまお元気で!
一般社団法人Arts and Creative Mind 代表理事 杉本志乃
理事 萩中華世
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