夏が来た!
7月に入り、クーラーを付ける日が増えた北海道十勝。それでも湿度が低く、朝晩は気温がかなり下がるので東京よりは随分と楽なのですが、農作業に関しては、お日様がサンサンと照り始める9時までが勝負。毎朝4時に起きて、雨の日以外はほぼ農地へ行き、葡萄や大豆のお世話、農場の草刈り、作業小屋の清掃など、やることは幾らでもあります。
農作業は晩春から秋にかけて、アートの仕事は冬から春にかけてと決めているのですが、今後、冬場に開催される展覧会やアート関連の仕事の仕込みは、農作業と同時進行で進めなければ間に合いません。一旦集中すると没入してしまう男脳の私にとって、この同時進行っていうのが中々出来ず、そのことで毎回妹と喧嘩に。
「こうして農作業にどっぶりハマっている間に、世の中(アート業界)はどんどん進化しているよ。私たち、大丈夫?」そんなことを言われても、農業関連の仕事は農作業のみならず、ありとあらゆる書類提出や事務作業が大量にあるのです。農業者は経営者でもあるので、そんな風に責められても…「焦るなっ。焦ってもロクなことないよ。焦っている人間に幸せはこない。」と切り返すと、「そうだよね〜。やっぱり毎日笑っていないとね。ワハハハハハハ、ギャハハハハハハ。。。」汗
そうなのです。焦ったって人生ロクなことは起こりません。出掛けに急いで用意したランチの焼きそばをタッパーに詰めようとして手を滑らせ床にばら撒いたり、早く飲みたくて注いだワインをひっくり返したり、急いで洗面所で顔を洗っていたら、着ていたパジャマがベチャベチャになっていたり、強烈な眠気に襲われ急いで布団に入って寝ていたら、「ちょっとアンタ〜!それあたしの枕だって〜!」と、いきなり枕を奪い取られて頭がドスンとなったり、お腹が空き過ぎて食べ始めたら、横で妹がニヤリ。「ちょっと〜、箸。見てみ。」二本の箸がバラバラで笑われるし、過去の記憶で究極は、コンサートに行くために焦って電車に乗ったら逆方向。また焦って乗り換えたら今度はぼーっとして乗り過ごし、また戻って無事目的地に着いたと思ったら、コンサート会場がシーン。。。会場自体を間違えていた!だから、皆さまも絶対に焦ってはいけないのです。
話は突然逸れるのですが、先日NHKで見たドキュメンタリー「法医学者たちの告白」について。死因を判定する法医学者。判断を間違えば、犯罪を見逃したりえん罪を作り出したり、検察側と弁護側の鑑定結果に対する目論見が対立すれば、科学的に検証された事実が歪曲されたり時には無視されたり。毎年何百人ものご遺体と無言の会話をしながら、関係者の人生を大きく左右するかも知れぬ事実を解明しなければならないそのプレッシャーたるや、想像を絶するものがあります。ある男性医師は不眠症で早朝4時に朝さんぽ。またある女性医師は教会でお祈りを捧げる。そうすることでメンタルの安定を辛うじて保ちながらこの仕事を続けている。
何が言いたいかと言うと、そうです。農業は確かに老体にはしんどい。だからと言って、ガタガタ言うなと自分に言い利かせます。黙々と粛々と淡々と、今は体を動かすのみ!
ではまた次回のレポートまで、皆さまお元気で!
一般社団法人Arts and Creative Mind 代表理事 杉本志乃
理事 萩中華世
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